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ひろみ日記

海にまつわる物語(3)

カテゴリー:
  • 2017年02月20日

(2)からのつづきです。

 

皆と別れ、一人部屋に戻った私は

ぼんやりと窓の外を眺めながら、

彼の言葉を思い出していた。

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「2,3年経つと、又転機が訪れる。

今いる家に住めなくなる様な

トラブルが起きた時が合図だよ。

その時は、どんなに未練があっても振り返ったらいけない。

きっぱりとそこを離れるんだ。

何故なら、垢落としの時間はどんなに長くても

3年と決まっていて、今、君の海はその役割を

果たしている。

それが終わったら旅立たなきゃいけないんだ。

自然界のルールっていうのかな。リズムに逆らうと

人生は暗く悲しいものになってしまう。」

「・・・やっとの思いでオアシスを見つけたのに。」

嘆く私に

「もし、戻って来たいと思うなら、君が本当の意味で

自分の足で立ち、幸せを掴んだ時だよ。」

彼は最後にこう告げた。

 

それから3年2ヶ月後(やや、垢落としに手こずった模様・・)

大家vs住民(全員!)トラブルが勃発し、

私はそのわずか数日後に部屋を出る事になる。

西暦が2000年に変わった3月某日、

人はこれを「平成・坊主予見の変」と呼んだ・・

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親元に戻った私は、その直後に彼(今は主人)と出会い

超スピード「ビ・ビ・ビ婚」

横浜に部屋を借り、ほどなく長女を出産。

そして、子育ても一段落した2年後・・

私たち家族を迎え入れてくれたのは、

潮の香りを微かに感じる

葉山の山々に囲まれた今の家だ。

 

「帰ってきたよ」

                          

 

(4)あとがきにつづく

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