20年前、定年後(当時は定年は60歳が世間の常識でした)はどんな人生を歩むか悩んでいました。
いくつかの会社から誘いがありましたが、これまでと大差ない仕事は無難にこなせると思うのですが、無難な人生より面白い人生を目指す私は、いっそのこと全く違う世界で活動しようとの思いがどんどん強くなりました。
そこでたどりついたのが画家になることでした。
画家と言っても絵が好きとか上手とか以前に、絵には関心すらなかったのですが、
発明好きの私は絵の中に発明の余地がたくさんあり、発明次第では初心者でも簡単にレベル以上の絵が描ける可能性を発見したからです。
とはいえ、いざ描いてみると、思うように描けない。
写真をトレースすることで形を正確に描くことができましたが、彩色が難しくとても人様にお見せする絵とはなりませんでした。
考えてみれば、「色」とは、明度 彩度 色相 の3つの要素からなっており、その3つが的確でなければ納得する色にならないわけで、それならば絵のポイントとなる「明度」を先に塗ったらどうかと思いついたのです。
つまり具体的にいえば、最初はモノクロで描くということでした大発見でした。
その画法に自信を持ったのが下記の絵でした。
その絵はイタリアのベネチュアに旅行した時の写真から描いたものです。
まず写真をトレースしてを線画を描きます。
そして最初の一色は黒いインクのモノクロだけで描きます。
しかし、上から別の色を重ねると色がにじんでしまうため、漫画家専用の墨汁にたどり着きました。
実際の彩色段階に入っても、最初にモノクロで描かれているため、絵の全体像がつかみやすく、明らかにというより圧倒的に、そして失敗なく彩色することができました。
これが最初の一色はモノクロで描く画法に確信を持った一枚でした。
実感・絵を描く人生は、面白おかしい人生ですたい!
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