ペットブームとのことで、多くの家庭で猫や犬がちやほやされていますが、彼らの仕事といえば、家族のかけがえのない一員として、家族のストレスを抑え、安らぎや癒しを与えることかもしれません。
私の子供時代の家は見渡す限りの田畑の中の農家でしたから、ほとんどの家庭は猫を飼い、その中の数軒の家は犬も飼っていました。
そして、猫や犬は今のそれとはまったく違う仕事があり、役割がありました。
犬の仕事は警備が主たる仕事、つまり番犬でした。
農家は不用心で家に鍵などかけず、泥棒が入ろうと思えばどこからでも家に侵入できるのですが、犬は玄関脇で鉄の鎖に繋がれていても、怪しい気配を感じたら吠えて家族に注意を促すことは朝飯前で、実に警備に長けていました。
そういえば、犬種といっても愛玩用ではないのですから、日本犬系の雑種がほとんどでした。
猫の仕事はネズミ捕りでした。
農家は米をはじめとした穀物が貯蔵されていて、それを食べるネズミの被害に悩まされており、その対策として猫を飼いました。
夜ともなると天井裏をネズミが走り回る音がうるさいのですが、子猫がやって来た日からピタリと静かになるのですから、ネズミにとっても猫が脅威だったのでしょうね。
猫は子猫の時から自らの仕事を知っているのか、夜行性のネズミ捕獲のため、昼は寝て夜に外出する(家からの出入り自由)ことになるわけですが、初めての1匹を捕まえた時が大変なのです。
唸り声を上げながら口にネズミを加えて家族の前にこれ見よがしに登場し、私たちの目の前でほとんど仮死状態のネズミを放り上げて尽きることなく遊ぶのですが、私たち家族も「ようやった!」と誉めることを務めとしていました。
それに気を良くした猫は、ネズミ捕りに精だす日々を送ることを期待し、それに猫は必死に応えたのです。
あの当時、猫や犬は、牛や豚や鶏と同様の、働くために飼われた家畜だったのです。
世の中変わり、猫や犬も大きく変わったんだから、人間ももっと変わんなきゃ!
20年後の犬の仕事は、知的労働に進出するらしいという噂があります。
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