物件を探していると、、、
・間取り
・価格
・駅からの距離
といった、優先順位の高い条件がひと通りクリアしていたとしても、
「いざ買うか?」
と気持ちが前向きになってきたタイミングで、
やっぱり気になるのは周辺環境ではないでしょうか。
「この町は、どんな場所だったのか」
「昔、どんな使われ方をしていたのか」
「注意が必要になるような背景はないか」
こんなふうに、
土地そのものを気にされる方はとても多くいらっしゃいます。
周辺環境をチェックするために、
「物件の周りを実際に歩いてみる」
という方も多いと思います。
というより、ほとんどの方が必ずチェックされるのではないでしょうか。
特に、これまで住んだことのない町で暮らすことを考えると、
そう考えるのも自然なことだと思います。
今回は、実際にお客様が検討されたことをきっかけに調べた
鎌倉市腰越5丁目
少し小難しい話もありますが、できるだけ分かりやすくまとめてみました。

あるマンションの調査をしていた際、住人の方から
「腰越5丁目は、昔は石切場だった。地盤も硬い。」
と教えていただきました。
気になって調べてみたところ、
腰越5丁目周辺が、かつて石切場(採石場)として利用されていたことは、複数の資料から確認することができました。
神奈川県立歴史博物館が公開している地質調査資料では、腰越地区について、次のように明記されています。
「ここは池子層の凝灰質砂岩を石材として切り出していた場所」
三浦層群池子層(約300万〜400万年前)に属する凝灰質砂岩、いわゆる鎌倉石が露出しており、寺社建築や石垣などに使われる石材が切り出されていた地域です。
出典:
神奈川県立歴史博物館
https://nh.kanagawa-museum.jp/kenkyu/kanagawa_chishitsu/chisou/kamakura/koshigoe/koshigoe05.html
文献だけでなく、現地には石切場だったことを裏付ける痕跡も残っています。
岩石観察の記録では、腰越トンネル付近について、「崖の隅がきっちり直角に切られているので、石切場跡と考えて間違いない」と記されており、人の手で切り出された岩盤が確認されています。
出典:
鎌倉石 (1) 腰越の石切場跡 – 岩石と土の表情
http://iwatotsuchi.blogspot.com/2015/05/1_6.html
明治40年(1907年)に完成した江ノ電の極楽洞トンネルは、全工程が人力で掘られました。
この工事は、江ノ電建設史の中でも最大級の難工事とされており、その過程で大量の石材が、この地域で掘り出されたことが記録されています。
出典:
江ノ島電鉄公式
https://www.enoden.co.jp/fan/museum/memoirs/chapter-5/story-2/
腰越5丁目について、「地盤が比較的しっかりしていると言われることがある」理由は、こうした石切場の歴史にあります。
一般論として、
・石材が切り出せる場所には岩盤がある
・岩盤が浅い場所は、軟弱地盤になりにくい
という考え方があるそうです。
そうは言っても、石切場だったから安心、という単純な話ではありません。
町の歴史は、あくまで判断材料のひとつ。
最終的には、その敷地ごとに状況を確認し、
いろいろな背景を理解したうえで、
それでも「ここで暮らしたいかどうか」
を考える必要がありますね。
ということで!腰越5丁目!
オススメ物件もございますので、
気になる方は↓こちら↓までご連絡ください!
t-daisuke@coco-h.com

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