ヨーロッパのとある古くて美しい街、
その人通りの多い通りの片隅に、いかにも人生に疲れたような盲目の老人が、物乞いをしていました。
彼の横にダンボールにマジックで I`M BLIND PLEASE HELP (目が見えません。お恵みを) と書かれたものが立てかけてあり、貧しい盲目の物乞いであることはすぐわかりました。
しかし、ずいぶん長く座っているのに、小銭が数枚あるだけでした。
そこに知的な美女が現れました。
いきなりダンボールを取り上げその裏に文章を書きました。
その内容は IT`A BEATIFULDAY AND I CAN`T SEE IT (今日もいい日だね。でもボクにはそれが見えないんだ)という文章でした。
それを機に何という変わりようでしょう!
次々と絶え間なく恵があり、その中には何枚ものお札も混じるようになりました。
その後、再び訪れた知的な美女に盲人は言いました。
「看板にいったい何を書いたんだね?」
美女は言いました。
「同じことを書いただけよ」
「ただ、違った言葉を使ったけどね」
なぜ言葉が違うだけで、大きな変化が生まれたのでしょう。
私の解釈では・・・
これまでは街人と盲人とは関係もなく、頭の片隅にもなかったが、
新しい文章を読んで、街人と盲人とは同じ場所と同じ時間を共有している、
もっと言えば、見えない共感の糸でつながっていると感じたのではないだろうか。
言葉には無限の力があるのです。
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