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健二郎日記

出所と卒業

カテゴリー:
  • 2018年03月10日

人生にはいろいろな別れと出会いがあります。
たとえば 学校の卒業、就職、配置転換や転勤、転職、そして退職と第二の人生・・・そんな人生の節目を終えるとき、世間では「卒業」という言葉を使いますが、人生一度きり、私はあえて「出所」の心構えで立ち向かえば、より充実した人生を選択できると信じています。

「卒業」とは、これまで育んできたことを生かし、その延長線に次のステージをむかえるという安定と希望の響きがあります。
それに比較して「出所」とは、犯罪を犯して刑務所に入り、刑期を終えて出るその心境は、これまでの歩んできた人生を断ち切り、それはまさにゼロからの出発と同時に、二度と失敗をしないとする強い決意の響きがあります。

           「出所」前の私の職業ですが、わかりますか?

私にとって「出所」の心境で立ち向かったのは、2回あります。

ひとつは田舎で生まれ育った100%田舎者である私が上京し、東京のど真ん中の広告代理店に就職した時でした。
文化文明が違うというより、言葉が違い、スピードが違い、能力が違い・・・私は完全に落ちこぼれとなり、ある失敗で怒鳴られトイレの中でメソメソ泣きじゃくりながら「出所」の決意を持ち、そして実行することにより、それを契機に遅ればせながら仕事についていけるようになりました。
同時にそれは望郷の念が薄らいでゆくことでもありました。

もうひとつは、停年退職後にはほとんど未経験の画家の道を選んだ時でした。
現役の後半は子会社の経営者としての仕事を18年も務めましたが、それは企業人・経営者としての思考で凝り固まっており、その呪縛から抜け出せない自分に気づきました。
経営の仕事と絵を描く仕事は、魚屋さんがバレリーナになるようなもので全く違い、本格的に画家の道を歩むならこれまでのすべてを断ち切る、つまり「出所」の決意をすることで、ようやく画家の道を歩むことが出来ました。
あれから15年、それまで濃密に没頭していた会社にはその後一度も行っていなく、昔の友人からのすべてのお誘いを断り、(偶然街で出会った人を省いて)一人の人とも会っていません。

振り返れば、あの時の私の「出所」の決意は、私の人生後半を圧倒的に豊かにしてくれたと確信しています。

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