自動車のナビゲーションでおなじみのGPS(全地球測位システム)は、大幅に精度を高めて今年11月より本格運用されます。
これまでのGPSはアメリカの軍事目的のシステムを活用してきたもので、人工衛星からの電波を素にして位置を特定したものですが、必ずしも精度が高いとはいえませんでした。
しかし日本のJAXAの人工衛星「みちびき」の4回の打ち上げと、それぞれ4機の人工衛星により、日本版のGPSが大きなインパクトを与えることになります。
それでは従来のGPSと日本版GPSのどこが違うのでしょうか?
従来のGPSは10メートル以内の誤差でしたが、日本版GPSは数センチ以内の誤差となったことで、その差は似て非なるもの、全く新しい可能性を持ったのです。
世界の主要国でも同様な技術開発が進んでいますが、そのほとんどは1~10メートルの誤差ですから、日本版GPSは世界で圧倒的な精度の高さを有したこととなり、それは単に精度の向上だけではなく、新しい産業を生み出し、私たちの生活を変える可能性が生まれたのです。
たとえば・・・
自動運転技術の加速
自動運転が世界でしのぎを削っていますが、日本版GPSは道路や駐車場の位置などの正確性が自動運転性能の大きなバックアップ機能となり、日本の自動運転化が飛躍的に加速します。
人力自動運転、発車オーライ!
農作業の無人化
たとえばトラクターにそのシステムを搭載すれば、無人で田畑を耕すことができ、人手不足の解消と生産性の向上で、農業は注目業種として見直される可能性を持ちます。
ドローンによる宅配サービスの普及
宅配業務の人員不足が問われている中で、特に過疎地域を中心としたドローンでの宅配サービスが普及すると予測されます。
新技術は新しい産業を生むように、日本版GPSは上記以外に多くの業種に反映していくものと思われます。
たとえば不動産業にとっても、日本版GPSはこれまで測量技師に依存していたのですが、より安易により高い精度で活用することが出来ることとなるようです。
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