わが息子は東京でIT関連、特にCG(コンピュータグラフィック)に特化した仕事をしており、秋葉原に新しいオフィスを開いたということで、1年ぶりに東京さ行って息子に会い、その仕事場を見学することにしました。
秋葉原はメイド喫茶風の看板や、派手な色の家電の店が立ち並び、若者たちで溢れており、田舎っぺの老人2人はキョロキョロ落ちつかなく、異文化に驚くばかりでした。
息子のオフィスはJR秋葉原駅に隣接する高層ビルの中にあり、そこで彼らが制作したCGを見ることとなり、いつの間にか息子も親の手が届かないほど成長したものだな~と、他人事のように感心させられました。
その後東京見物を計画していたのですが、秋葉原の毒気にあてられたのか、疲れ果てて我が家に逃げ帰りました。
そしてようやく家に転がり込み、「心休まる場所はただひとつ、湘南のこの家しかないんだナ~~!」と、改めて実感しました。
もう、海の香のない生活なんて、考えられないワン!
北陸の見渡す限りの田圃の中で育った私ですが、それと真逆の東京都心の広告代理店に就職し、憧れの東京に居を構えることとなりました。
しかし程なくして仕事は東京でも住まいまでが東京では窒息しそうになり、紆余曲折を辿りながらたどり着いたのは、自然豊かな現在の逗子市でした。
逗子に住んで30年、15年前に退職して東京ともさよならし、その時期から始めた画家生活にのめり込むほどに、38年働いた東京すらも私の心の中からドンドン離れていってしまいました。
現役時代は毎日通った東京も、最近では1年に1回、それも用事を済ませば逃げ帰るように、都会の喧騒が苦痛になりました。
田舎者が一時シティボーイを気取ったものの、また田舎者に戻っていく、そんな人生の性をしみじみ感じる私なのです。
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