日本の文化の基本に、「家督を継ぐ」という伝統がありました。
家督とは、相続すべきその家の財産を継ぐことであり、武家では主君から与えられた封禄を守ることであり、農業では田畑を継ぐことでした。
しかし、その継承への意識が急速に低下しているように思われます。
その一例として、日本の農業従事者の平均年齢は67歳で、サラリーマンなら退職して悠々自適の生活を楽しんでいるその年齢が農夫の平均年齢なのです。
それは農家の子供たちは農業を継がずに都会に出てしまい、残った親たちは細々と農業に従事しているからなのであり、それほどまでに継承が遮断されていることを物語っているのです。
故郷は心の中だけにあるのです。
継承の遮断、それは農業や地方に限らず、都会生活者にも表れています。
その具体的な現象が「空家」の急増です。
持ち家とは、親にとっては人生の結晶そのものです。
だからこそ子供たちがその家を継承することを願うのですが、子供たちは親元を離れて久しく、核家族化といいますか別の世界観を構築しており、今更ながら面倒くさい、もっと言えば有りがた迷惑と思う、そのギャップに「空家問題」が生じているのではないでしょうか。
それではどうしたらいいのでしょうか?
親は子供を一人前に育てれば、もう親としての責任はほぼ終わった、と考えることにしましょう!
そして死ぬまでに、自分たちの財産はすべてを使い切ってしまいましょう!
そのため自宅は売却(もしくは賃貸)し、そのお金で人生を謳歌することにしましょう!
この結論は極端かもしれませんが、人生一度っきり!徹底的に人生を楽しむことこそ優先すべきだと思います。
そしてそれは親にとっても、子供にとっても、そして社会にとっても、賢い選択かもしれません。
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